『GO!』の違和感を考察したらCORTISの根っこが少し見えた

CORTIS


こんにちは!SENOです!

先日、レッスンでCORTISさんの『REDRED』をやってた時、

急に、前から思っていたことをちゃんと書こうとなりました。(なぜ)

しかも『GO!』についての。(なら本当になぜ)

CORTISさんのダンスって、なんか今までのK-POPにない雰囲気を感じませんか?

この違和感をなんとなくボヤーと頭の中には持っていたのですが、

今回はその違和感のようなものの言語化を、自分なりに一生懸命試みました。

『GO!』の衝撃

CORTISさんの『GO!』をみた時、”これK-POP?”と思いました。

それは、この曲をK-POPではないと否定する意味ではなく、K-POPにこんなのあったっけ?みたいなニュアンスです。

曲調やダンスジャンルは、大きい括りでヒップホップだとは思いますが、

振付の雰囲気とか、踊り方とか、K-POPなのかって感じです。

むしろ、あれに似てるかもと脳内の隅から引き出された曲がありました。

それが、Ayo & Teoの『Rolex』という曲です。

“韓国アイドルのダンス”より“ストリートダンス”?

Ayo & Teoの『Rolex』

音楽ジャンルはTrap(トラップ)というジャンルが最も近いようです。

Ayo & Teo自体は一般的にHip-Hop/Rapに分類され、「Rolex」はトラップの影響が強い曲として紹介されています。AllMusicも、MigosやRae Sremmurdなどのtrap-influenced popに近いと説明しています。 AllMusic

サビには振付があり、動き自体はそこまで複雑でなくても、

・少し遅れてビートに乗る

・肩や胸、膝の細かいバウンス

・力を抜いた状態からアクセントだけを強くする

・手足を「ポーズ」として止めるより、流れの中で使う

そして特に、

・2人が完全なコピーではなく、それぞれの質感で踊る

といった要素が目立ちます。

公演ごと、動画ごとに異なるニュアンスやノリ方で踊っています。

決まった振付はあるけど、フリースタイルのような感じです。

この雰囲気を、どこか感じたんですよね。

K-POPダンスは基本的に、

音楽に合わせて振付を正確に共有し、人数で揃えフォーメーションを見せる、というやり方だと思います。

Ayo & Teoのダンスを見ると、

ある振付を、ビートに対してどう乗るか考え個々の解釈で踊ることで同じ動きでも個人のキャラクターが出るようにやっていると思います。

もちろん、K-POPアイドルのダンスも個性が出ていますし、CORTISさんのダンスはK-POP最前線レベルで揃っています。K-POPのダンスです。

しかし、CORTISさんのダンスは、ヒップホップの中でも、グルーヴや個人のニュアンスを重視する”ストリートダンス的なスタイル”を感じます。

決まった振付の中にも自由さを残しているような、そして個々の身体や音の取り方や振付の解釈の仕方などの特徴を、最大限消さないようにしているのかな。

個人的には、一糸乱れぬK-POPのダンスは、その逆の方向性だと思っていたからこそ、よりCORTISさんのダンスはこのような新鮮な違和感を感じたのかもしれません。

各々の解釈で振付を表現し、それをグルーヴで合わせていく、そんな過程でパフォーマンスを作ってきたのかな、など想像してしまいます。

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恩師の教え「もっと深い音楽を聞け」

ダンストレーニング時代の恩師によく言われていたのが、

「最近のポップスだけじゃなくてもっと深い音楽を聞け」

でした。

当時はよく分からず、アッシャーやジャスティンティーバーレイクなどを聞いていましたが、おそらく恩師としては、もっと前のR&Bから学んでいきなさいということだったのかなと、今は思います。

今、K-POPアイドルを目指している人はK-POPアイドルをみて練習しますが、K-POPアイドルは主に洋楽を学んでいるはずで、その欧米などのアーティストは歴代のスターからも多くを学んでいるはず。

K-POP歌手を目指すならR&Bのグルーヴ感と基礎、そしてK-POPダンスならヒップホップはほぼマストです。

その辺のトレーニングをK-POPアイドルだけから学ぶだけでは、重ね塗られた絵の一番上だけ真似しているようなもの。

本物、一流を目指すなら、見えてはいないが存在している、その絵の重ね塗りの下地から身につけていけという指導だったと思います。

そういった下地のある人というのは、最終的には立ち姿すらかっこいい人になるのだと思います。

いつ、どんな時にどんな動きをしたもかっこいいアーティスト、いますよね。

これは振付が上手いというよりかは、体に染みついた深い音楽理解度のようなものがパフォーマンスをそうさせる、それは振付のない動きをかっこよくする、つまりフリースタイルがカッコよくなっていくことにつながるとも思います。

その考え方は今でも好きだし、K-POPアイドルがやはり世界と戦えているのもその下地がしっかりあるからだと思っています。

話を戻しますが、CORTISさんって、振付が上手いのはもちろんなんですが、個々が自由さを持っているパフォーマンスをしませんか?

揃っているけど、個性を最大限消さない、その動き一つひとつが真似できないかっこよさを持っている。

これは恩師のいう深い音楽の下地がぎっしり詰まっているからではないか。ならトレーニングの過程にはその音楽感性を学んだ時間があり、言葉を選びますが、ブラックミュージックのような音楽ルーツを大きな比重で経ている可能性もあるのかと。それは『Rolex』から感じた何かの類似性とは縁がないものとは思えません。

(※ここでのブラックミュージックとは、アフリカ系アメリカ人の音楽・ダンス文化から発展したHip-Hopの身体表現を感じるといった意味での使用であり、差別的意図は全くありません)

CORTISのバックボーン調査

ここでCORTISさんのことを少し調べてみました。

どんな過程を経てきたのか。

CORTISさん自身が『GO!』について話している内容では、

MARTINさんは、「GO!」と「FaSHioN」は自分たちが好きなジャンルを取り入れ、それをK-POPの振付と組み合わせたと説明しています。また、LA滞在中にさまざまなジャンルやサウンドを体験したとも話しています。https://magazine.weverse.io/article/view/1568?artist=CORTIS&lang=es&utm_source=chatgpt.com

さらに、JAMESさんによれば、『GO!』の振付はLAで作られ、5人でスタジオに入り、2~3日ほどでかなりスムーズに完成したとのこと。https://www.gqjapan.jp/article/20260224-cortis-hype?utm_source=chatgpt.com

そして公式クレジットを見ると、『GO!』の振付は CORTIS、REMY、MUN HYUN。つまり、少なくとも「K-POPの既存振付を与えられて踊っている」というより、メンバー自身が振付制作にかなり関与した作品です。

なので、最作過程から、曲はK-POPとしてのヒップホップ/トラップだけど、踊りを見ると、もっとストリートダンス寄りに感じる、という見方は比較的大外れではないかもしれません。

日本のMnetの記事では、CORTISの『GO!』についてそのまま「ストリート感あふれるエネルギッシュなダンス」と表現されています。

このストリート感が筆者の印象とどのくらい一致してるかは分かりませんが、ストリートという単語を引き出す感覚は一致していました。

BIGHITは、「GO!」をminimal trap beat + synth layersを軸にしたhip-hopとpopの交差点にある曲として説明しています。BIGHIT公式

音楽ジャンルはあまり詳しくはないのですが、『GO!』という曲は、単純なK-POP(韓国のヒップホップ)という感じではないのだと思います。

むしろ、アメリカのヒップホップ/トラップの音楽に、LAでの制作経験、ストリートダンス的な身体表現、K-POPとしてのグループフォーメーションなどが混ざってできたもの。

一方でWeverse Magazineが振付を説明するときも、「自然体で力の抜けた手の動き」から始まり、ビートに合わせて一気に全員が動く、といったグルーヴ/身体のノリをかなり重視した振付として紹介しています。

CORTISさんの制作過程の中で生まれるアイデンティティというものは、韓国内だけでなく、より欧米のストリートの影響を強く受けている可能性が高く、K-POPという枠のストリートよりに位置しているという見方は、あながちと多い推測ではないと考えられるのではないでしょうか。

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分析:ストリートダンス的類似性

これまでの話をまとめると、CORTISさんの『GO!』とAyo & Teoの『Rolex』の類似性は、単純に「どちらもヒップホップだから」という話ではなく、音楽とダンスの両方に、アメリカのHip-Hop/ストリートダンス文化の影響を感じ取れることがポイントなのではないでしょうか。

1音楽ジャンルの Trap

『Rolex』は大きく言えばHip-Hopですが、より具体的にはTrapを取り入れたポップ/Hip-Hopと言うことができ、

『GO!』も公式には”minimal trap beatを基盤としたHip-HopとPopの融合”として説明されています。

2ダンスの類似性

一般的なK-POPのダンスは、振付を全員で正確に揃えることが非常に重要です。

一方、『Rolex』周辺のAyo & Teoのダンスには、ビートに身体をどう乗せるかという感覚が強い。

バウンス、グルーヴ、身体の力の抜き方、アクセント、タイミングのずらし方など、「振付の形」だけではなく「ノリ」そのものを見せるタイプです。

調べると、Ayo & Teoはもともとダンサーとして活動しており、彼らのスタイルにはrobot、breakdance、Memphis jookin’など複数のストリートダンスの影響があるとのこと。

そのため『Rolex』は、Trapという音楽に、Hip-Hop/ストリートダンス、ダンサー自身の身体表現がかなり密接に結びついた作品と考えられます。

CORTISさんの『GO!』にも、その感覚があるのではないか。

『GO!』はもちろんK-POPです。フォーメーション、グループパフォーマンス、映像、アイドルとしての見せ方などには、明確にK-POPの文法があります。

しかし、振付を細かく見ると、「K-POPの振付をHip-Hop風にした」というより、

「Hip-Hop/ストリートダンス的な身体表現をK-POPというフォーマットの中に持ち込んだ」ように見える部分があります。

しかも『GO!』の振付はLAで制作され、メンバー自身も制作に関与しています。

つまり、CORTISさんの場合、K-POPが海外の音楽・ダンスを「引用している」だけではなく、従来以上にメンバー自身が海外のHip-Hop/ダンスカルチャーを経験し、それをK-POPの表現に組み込んでいるのではないか、それが印象に少なからず影響を与えているのではないでしょうか。

考察:共通するストリートダンス的な“ビートへの身体の乗せ方”

こうして考えると、『GO!』は単なる「K-POPの新しいHip-Hop曲」ではなく、

アメリカのHip-Hop/Trap/ストリートダンス文化

K-POPがそれを取り込む

CORTISさんがさらに自分たちの世代の感覚で再構成する

という流れの中に置くことができるのではないでしょうか。

昔のK-POPでは、欧米の音楽を韓国のアイドル音楽に取り込むという構造が非常に重要でした。

しかし、現在のK-POPは、世界中の音楽・ダンス・カルチャーを取り込み、それをK-POPというフォーマットで再構築する方向へさらに進んでおり、『GO!』という曲は、その一例の中で、特にストレート系のダンスを取り入れた楽曲として見ることができるのではないでしょうか。

今回、筆者が感じた違和感、『GO!』が『Rolex』に似ているように感じるのは、曲のジャンルが同じだからだけではなく、Trap系の音楽と、ストリートダンス的な“ビートへの身体の乗せ方”が共通しているからではないか、と一つ、考察できると考えました。

あとがき

K-POPは、多くの音楽ジャンルや文化を吸収しながら独自のK-POP文化へと成長させてきた歴史があります。CORTISさんはその中でも、今、独自の解釈とアイデアで確実にK-POPの先端を歩いているグループだと思います。

今までにないこのアイデンティティは、K-POPの枠を広げ、新しいインパクトを与えています。『REDRED』もその代表曲の一つでしょう。

今回の記事を書きながら、やはりグループのルーツは、グループを考える上で重要であり、また欧米のミュージック文化をどう学習しインプットしているかは、楽曲のアイデアやパフォーマンスの質に影響していると感じました。

なぜなら、CORTISさんの振付は、振付として練習しただけでは、振付のクオリティを上げていく上で限界があると思ったからです。

体に染みついたダンスの基礎たちが、あのパフォーマンスをかっこいいものにしているのではないか。

や一流のパフォーマンスを目指すなら、同じように下地となる深い音楽文化にも触れながら、トレーニングをしていくべき、特にK-POPの歴代の方達と同じ土俵を目指すなら尚更です。筆者としては、そんなことを再確認する機会にもなりました。

皆さんはどう思ったでしょうか。

※今回の記事に関しては、スタートから着地まで主に筆者の個人的な思考に基づいており、イチ考えでこんなことを考えた人もいる、程度での解釈でお願い申し上げます

ここまで読んできただきありがとうございました。

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